ハム中田の108打点と鷹周東の50盗塁はどれだけ凄い? 143試合換算でわかる“傑出度”

日本ハム・中田翔の打撃成績【画像:(C)PLM】
日本ハム・中田翔の打撃成績【画像:(C)PLM】

パ・リーグでの直近10年間、2018年に浅村が記録した127打点が最多

 では、2020年の成績を143試合に換算したらどうなるのか。

 本塁打数は37本まで伸び、打点数も2016年に記録した自己最多の110打点を大幅に上回る計算に。犠飛の数も11と2桁に乗る計算であり、これは歴代7位タイに相当する。四球もキャリア最多となるペースで選んでいたことも見逃せず、今季の中田は過去のシーズンと比べても、かなりのハイペースで数字を積み上げていたと考えてよさそうだ。

 ここからは、今季の中田が積み上げた打点のペースを、過去の例と照らし合わせて評価していきたい。まず、直近10年間のパ・リーグにおける打点王獲得者と、その打点数は以下の通りだ。

直近10年のパ・リーグ打点王【画像:(C)PLM】
直近10年のパ・リーグ打点王【画像:(C)PLM】

 ここ10年間においては、2018年に浅村が記録した127打点が最多。すなわち、今季の中田の129打点ペースを超える選手は、近年のパ・リーグには存在しなかったということだ。こういった過去の傾向は、今季の中田が残した数字が、108打点という見た目上の数字以上に優れていたということの証左にもなるだろう。

 直近10年間というスパンに囚われずに評価すると、129打点という数字がどれほどの価値があるのかについて迫っていきたい。2リーグ制導入以降のパ・リーグで、シーズン129打点以上を記録して打点王を獲得した選手たちの顔ぶれと、その打点数は下記の通りだ。

シーズン129打点以上のパ・リーグ打点王【画像:(C)PLM】
シーズン129打点以上のパ・リーグ打点王【画像:(C)PLM】

 70年にわたるパ・リーグの長い歴史の中でも、129打点以上の数字を記録して打点王のタイトルを獲得したのはわずかに6人。2001年の中村紀洋氏を最後に20年間も空白が続いていることを考えても、今季の中田の打点ペースは、まさに歴史的なものだったと言えそうだ。

 6人の選手たちの顔ぶれを見ると、3冠王の獲得経験がある野村克也氏、ブーマー氏、落合博満氏に加え、本塁打王と打点王をそれぞれ2度獲得し、史上初の両リーグ1000安打を達成した大杉勝男氏、1979年から2年連続で本塁打王に輝いたマニエル氏、2000年に本塁打と打点の2冠に輝き、2001年に2年続けて打点王を獲得した中村紀洋氏と、そうそうたる大打者たちが揃っている。

 中田も3度の打点王に加えて、内野と外野で計2度ずつベストナインを獲得。一塁手としてゴールデングラブ賞も3度獲得している。広い札幌ドームを本拠地としながら、通算250本を超える本塁打も記録してきた。31歳とまだまだこれからという年齢であり、今後も長距離砲として活躍を続け、偉大な大打者たちの領域にさらに近づいていく可能性も大いにあることだろう。

143試合だったら周東の盗塁数は大台の60に到達する計算

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