ハム中田の108打点と鷹周東の50盗塁はどれだけ凄い? 143試合換算でわかる“傑出度”

1980年代以降は60盗塁以上をマークする選手は減少

 1970年から13年連続で盗塁王に輝き、そのうち最初の10年は全て60盗塁以上を記録するという離れ業を見せた「世界の盗塁王」こと福本豊氏をはじめ、1970年代まではシーズン60盗塁以上を記録した盗塁王の数は少なくなかった。しかし、1980年代以降は10年周期で1人ずつと、その割合は大きく減少している。試合数自体は2000年代に入ってからむしろ140試合以上に増加していたこともあり、盗塁の難易度そのものが上昇していると言えそうだ。

 野球を取り巻くデータの細分化、およびフィードバックの速度や質の向上に伴い、捕手のスローイング精度や、投手のクイック技術も進歩している。その影響で、時代を経るごとに盗塁という行為へのハードルが上がっている面はあるだろう。そんな中で、本多雄一氏以来10年ぶりに、シーズン60盗塁の大台に乗るペースを維持した周東の脚力と技術。過去のケースに照らし合わせてみても、やはり希少な存在のひとりと言えそうだ。

 今季記録された中田の打点と周東の盗塁は、いずれも近年のパ・リーグにおいては抜きん出たペースで積み上げられたものだった。それだけに、120試合にシーズンが短縮されたことで、単純な数字の面ではそのペースに比してやや少ない数字となってしまったのが惜しまれるところだ。だからといって、今季の両選手が見せた出色の活躍ぶりが、色あせるようなことも決してないであろう。

 ファイターズの主砲と、ホークスの切り込み隊長。チームの屋台骨を担う両選手は、来季以降もチームをけん引するような活躍を見せてくれるだろうか。今後のプレーぶりと、それに付随する数字にも、大いに注目していく価値はありそうだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY