ロッテ、なぜ得失点差-18で2位躍進? 快進撃を可能にした投手運用の“管理力”
リリーフ陣の層の厚さと、状況に応じた使い分けが奏功
こういった運用を可能にした理由が、端的に示されたデータがある。今季のロッテの勝敗を、試合展開ごとに分類した表を紹介したい。
負けパターンとしては、先制されたまま追い付けずに敗れる展開が最も多く、実に敗戦数全体の65%を占めていた。先発投手がマウンドを降りた段階でビハインドを背負っていたのであれば、無理に勝ちパターンの投手を動員する必要性は薄くなる。そういった展開が多くなっていたからこそ、無理に連投を強いる必要が生まれるケースも少なくなり、ひいては3連投を避ける慎重な運用を可能としていた面はあることだろう。
その一方で、勝ち試合に関しては、先制したまま追加点を挙げて逃げ切る展開が最多だったが、逆転で勝利をつかむ展開もまた、多く存在していた。先述した4人の投手以外にも、東條大樹投手、小野郁投手といった安定感のある投手が控えており、僅差のビハインドで勝ちパターンを動員せずとも、試合を壊さずについていける体制も整っていた。逆転勝ちの多さには、リリーフ陣の層の厚さと、状況に応じた使い分けが奏功したと言えよう。
ここまでは、主にリリーフ投手という側面から今季のロッテの戦いぶりを振り返ってきた。後編では防御率の面では決して芳しい数字ではなかった先発陣が残した、ある方面での非常に高い貢献度を紹介し、投手陣全体に全体に好循環が生まれた理由に迫っていきたい。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)