ダルビッシュ&スネルの左右エース獲得 「打倒ドジャース」へパドレスが描く青写真
今季は14年ぶりのPO進出を果たすも同地区ライバルに3連敗で敗退
パドレスは29日(日本時間30日)、カブスとの5対2の大型トレードでダルビッシュ有投手を獲得したと発表した。レイズとの4対1のトレードでは、2018年のサイ・ヤング賞左腕ブレイク・スネルを獲得したばかり。また韓国プロ野球のキウムからポスティングシステム(入札制度)を利用してメジャー移籍を目指していたキム・ハソン内野手とも契約するなど、今オフ積極的な動きを見せている。
パドレスが見据えるのは、球団史上初のワールドシリーズ制覇だ。今季、14年ぶりのプレーオフ進出を果たしたものの、ドジャースとの地区シリーズでは3連敗を喫し敗退。ワールドシリーズを制したドジャースはパドレスと同地区に所属するライバルでもあり、現在8年連続で地区優勝を果たしている。ワールドシリーズ制覇の前に立ちはだかる壁……。「打倒ドジャース」は長年パドレスの合言葉でもあった。
2019年のオフには当時のFA市場最高額となる10年3億ドル(約332億1000万円、レートは当時)という大型契約でマニー・マチャド内野手を獲得。今季はMVP投票で3位になる活躍を見せた。さらにトッププロスペクトとして期待されていたフェルナンド・タティスJr.内野手が球界を代表する選手に成長。今季はMLB全体3位のチーム得点数を記録するなど、球界でも屈指の攻撃力を見せた。
一方、課題と見られていたのが投手陣。今季のチーム防御率はMLB全体8位の3.86と好成績だったが、トレード期限に大型トレードで獲得したマイク・クレビンジャー投手が11月に右肘のトミー・ジョン手術を受けて来季は全休に。今季MLB全体5位の防御率2.09を記録するなど頭角を現したディネルソン・ラメット投手も、二の腕の張りでプレーオフ登板を回避し、治療に専念するなど不安が残る。
チーム得点数、チーム防御率ともにMLB全体1位を誇るドジャースに対抗するには、「絶対的エース」の存在が必要だった。2018年のサイ・ヤング賞投手ブレイク・スネルと今季サイ・ヤング賞投票で2位につけたダルビッシュ有を獲得することで、パドレスは一気に左右のエースを揃えることに成功した。ここにラメットやクリス・パダック、若手有望株のマッケンジー・ゴアなどが続き、球界屈指の強力ローテを形成することになる。
韓国のスター野手であるキムを獲得するなど、自慢の攻撃陣強化にも抜かりがない。プロスペクトが成長し、中核選手が揃った今こそが「打倒ドジャース」、そしてワールドシリーズ制覇への勝負時と見ているようだ。
(Full-Count編集部)