2年連続最下位、今季のオリックスを振り返る 山本、田嶋が規定到達も…【投手編】
最高勝率右腕は故障を経ながら存在感を示す
そして、山本とともに今季のローテーションを支えたのが田嶋だ。1年目は開幕ローテに名を連ねるも肘の故障で離脱、2年目の昨季もその影響で初登板は開幕からふた月経った6月5日と、プロ入り後の2年はシーズンを通して投げぬくことができなかった。
ローテ定着を目指す1年に臨んだ左腕は、開幕2戦目から登板を果たし、7月4日の西武戦で幸先よく1勝目を挙げる。その後は9試合白星なしと援護に恵まれない期間もあったが、9月16日にプロ初完封勝利を挙げるとそこから3連勝を記録。シーズンの最後までローテーションを守り抜き、4勝6敗、防御率4.05という成績で3年目を終えた。
ルーキーイヤーに見せた力強い投げ方から一転、故障明けとなった昨季からは力感のない柔らかなフォームへとモデルチェンジした。この影響もあり今季序盤は140キロ前後の直球を投じていたが、終盤戦にかけては150キロを超える球も目立つようになり、プロ入り3年目にして大きな進化を見せるシーズンとなった。故障を乗り越え、先発陣の一角としてシーズンを戦い抜いた経験は、間違いなく来季以降に生きてくることだろう。来季はローテを支える柱の1人として、首脳陣、そしてファンからの期待を背負うシーズンとなりそうだ。
左右の両輪がローテーションを守り抜いた一方で、悔しいシーズンとなったのが山岡泰輔投手だ。2年連続の開幕投手を任された今季だったが、2登板目のロッテ戦、2人目の打者との対戦中に左脇腹の違和感を覚え降板。その翌日には登録抹消となり、2か月にわたる戦線離脱を強いられることとなった。
8月下旬の復帰後は3連敗となかなか流れに乗ることができなかったが、9月11日のロッテ戦からは6試合連続のQSと、最高勝率に輝いた昨季の安定感を取り戻す。そして、10月30日の日本ハム戦では今季初完投で4勝目を挙げ、昨季同様に1人でマウンドを守り抜いてシーズンを締めくくった。
今季は故障離脱の影響で登板数を大きく減らした山岡。白星も4つと、13勝を挙げた昨季から大きく減らし、プロ入りから3年間ローテーションを守り抜いてきた右腕にとって苦難のシーズンとなった。来季はチームとともに自身の巻き返しへと臨むシーズンとなりそうだ。