2年連続最下位、今季のオリックスを振り返る 山本、田嶋が規定到達も…【投手編】
顔ぶれが変化した中継ぎ陣、新戦力の台頭がブルペンを支える
海田智行投手、増井浩俊投手、近藤大亮投手と昨季50試合以上を投げて救援陣を支えた投手が、そろって不振、あるいは故障に悩まされるシーズンとなった今季。オリックスのブルペン陣は新たな顔ぶれの台頭が光った。
まずは自己最多、そしてチーム最多の48試合に登板した山田修義投手だ。開幕2戦目、先発した田嶋の後を受けて初戦からホールドを挙げると、その後は打者の左右やイニングを問わず登板を重ね、チーム2位となる18ホールドを記録した。無類のタフネスぶりで海田に代わって左腕リリーフのポジションをつかみ取った。
そしてチームトップのホールドを稼いだのが、今季から加入したヒギンスだ。190センチの長身から投げ込まれる真っすぐと、カーブ、チェンジアップを駆使した投球で開幕から10試合連続無失点を記録。セットアッパーとしての地位を確立すると、主に守護神・ディクソンにつなぐ8回を任されて19ホールドを挙げた。41回1/3を投げて45奪三振と、長身の外国人投手らしく力強い投球で試合終盤を制圧したヒギンス。来季もディクソンとの「ハイタワー」リレーで、チームに白星を届けてくれそうだ。
5年目を迎えた吉田凌投手も、今年は飛躍のシーズンとなった。入団後の4年間でわずか5試合の登板に終わっていた右腕だったが、昨季ファームで29試合を投げて防御率1.38と圧巻の成績を残すと、勢いそのままに今季は1軍で躍動。7月15日の初登板から8試合連続無失点で信頼を勝ち取ると、8月15日にはブルペンデーの3番手として登板し、うれしいプロ初勝利を手にした。140キロ中盤の速球とキレ味鋭いスライダーを中心とした投球で、奪三振率は10.24と三振を量産した。11試合連続無失点で締めくくった今季を糧に、来季はブルペンの中心としての活躍が期待される。