4年ぶりAクラスのロッテ チーム打率リーグ最下位も得た収穫と手応え【野手編】

育成出身・和田康士朗は快足を武器に「切り札的存在」に

 育成出身の3年目・和田康士朗外野手にとって今季は大きく飛躍を遂げたシーズンとなった。開幕直前に支配下登録を勝ち取ると、いきなり開幕戦に代走で途中出場。すると球界屈指の強肩を持つソフトバンク・甲斐拓也捕手から二盗を決める鮮烈なデビューを飾った。

 以降も試合終盤の勝負所における代走や、守備固めとしての起用が続いていたが、特に衝撃的な活躍を見せたのが8月16日の日本ハム戦。「1番・中堅」で自身初となるスタメン出場し、プロ初安打を含む3安打、さらに3盗塁で好機を広げるなどリードオフマンとして大活躍を見せた。シーズンでは俊足揃いのパ・リーグで3位となる23盗塁をマーク。自慢の快足をさらに生かすためにも、今オフでは打力を強化する取り組みが期待される。

 一方で、中堅選手の不振は打線の低迷に大きく拍車をかけた。争奪戦の末にソフトバンクからFAで移籍してきた福田秀は、練習試合終盤に受けた死球の影響で、開幕直後に無念の離脱を強いられる。7月には戦線復帰したものの、シーズンを通して状態が上向くことはなく62試合の出場に終わり、44安打5本塁打3盗塁、打率.216。プロ15年目を迎える来季こそは、実力を発揮できるか。

 井上晴哉内野手は3年連続となる2桁本塁打を達成し、昨季を上回るチームトップの67打点をマークした。井上といえば10月13日の楽天戦、同点で迎えた9回裏にサヨナラ二塁打で試合を決め、目に涙を溢れさせていた姿が印象に残っているファンも多いだろう。しかし9月は0本塁打、10月は打率.164とチームが下降線をたどった終盤にかけては極度の打撃不振に陥り、下位打線への降格も味わった。井上が中軸に座ることで打線の厚みが増すだけに、安定感のある打撃を身に付けることが課題といえるだろう。

救世主的な活躍を見せた藤原恭大

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