日本シリーズ4連覇のホークス チーム防御率12球団唯一2点台、王者の所以は…【投手編】
印象的な活躍を見せた「イケメン」必勝リレー
シーズン序盤で印象的だったのが、笠谷俊介投手、板東湧梧投手の2人の若鷹による継投策だ。左腕から繰り出されるスピンの効いた速球が武器の笠谷は、ショートスターター的なポジションでその才能を開花。そしてそのバトンを受け、2番手として起用されたのが、制球良くストレートと変化球を投げ込む板東だった。8月だけで3つの白星を積み重ねるなど、コンビネーションは抜群。その後、笠谷は主に先発要員として20試合に登板し、4勝4敗、防御率2.84と飛躍のシーズンに。板東は主に勝ちパターンの一員としてチームに貢献し、戦線離脱はあったものの確かな手ごたえを手にした。
一転、救援陣は開幕前から懸念点が多かった。というのも、前年勝ちパターンで起用されていた甲斐野央投手、高橋純平投手が故障で不在、51試合に登板した松田遼馬投手も状態が上がらず、2軍スタートとなったからだ。しかし、その不安は杞憂に終わることになる。
彼らの穴を埋めた格好になったのが高橋礼投手。昨季先発として12勝を挙げたアンダーハンドは、心機一転、今季は1年通してブルペン要員として帯同。主に接戦時からロングリリーフ、ピンチでのワンポイントなどさまざまな役割をこなし、森唯斗投手と並ぶチーム最多の52試合登板で救援陣を支えた。
若鷹では2年目の泉圭輔投手も飛躍のシーズンに。初の開幕1軍入りを果たすと、角度のある直球とツーシームを武器に40試合に登板、防御率2.08の好成績。また、6年目の松本裕樹投手も25試合に登板し、夏場以降は僅差の場面での登板も重ねた。復活を期した岩嵜翔投手は序盤こそ苦しい投球が続いたものの、10月には7試合連続無失点を記録するなどしぶとい働きで、優勝への重要なピースとなった。