球数制限、大人の罵声にイエローカード 少年野球界に一石を投じたポニーの使命

試合で投げる球数だけではなく、練習で投げる球数にも注目

 まずは、大会開催中の投球限度(Tournament Pitch Limit)、練習における投球目安(Pitch Scale)を定めた「PONY Super Pitch Program」から見てみよう。

【投球限度】
中学1年生 60球/試合(変化球禁止)
中学2年生 75球/試合
中学3年生 85球/試合

 同一試合内での再登板は一度だけ認められるが、同日の連投および投手捕手の兼任は禁止。1日に50球以上の投球をした場合、翌日は投手として出場できない。また、1日の球数が50球に達しなくても3連投は禁止されている。

 試合内での投げ過ぎに限らず、練習過多も障害を引き起こす要素となり得る。「球数制限」を考える時、試合で投げる球数のみにスポットライトが当てられがちだが、練習における球数にも目安を設けていることが「PONY Super Pitch Program」の特徴でもある。

【投球目安】
中学1年生 60球/試合 180球/週(変化球禁止)
中学2年生 70球/試合 210球/週(体の負荷となる変化球禁止)
中学3年生 80球/試合 240球/週

 ここで投球数にカウントされる球は、打者を立たせたマウンドからの投球および8割強度以上のスローイング、と定義されている。12月、1月の投球練習は極力控えるように呼びかけられ、肩肘に既往症のある選手は投球禁止。その他、投球限度と同様に、同日の連投および投手捕手の兼任禁止、1日の投球数が50球を超えた場合は翌日の投球の制限、3連投禁止などが決められている。

 連盟では、7月の本格導入以来、運用時に大きな混乱が見られることもなく、一定の効果を得られたと結論づけている。主要大会を終えた5チームをサンプルとして肩肘検診を実施したところ、故障の回復傾向や新規故障の発生の低下という効果が確認できたそうだ。2021年も引き続き運用し、さらに多くのチームを対象とした検診を行いながら、継続的に効果を検証していくという。

国際標準バットとイエローカード導入にも効果、一方で改善が必要とされたものは…

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