GG賞逃した巨人・岡本が満点 アナリストが選ぶ名手は?【二塁&三塁&遊撃編】

広島・菊池涼介【写真:荒川祐史】
広島・菊池涼介【写真:荒川祐史】

二塁手部門で3位だった広島・菊池涼に見られる守備スタイルの変化

 二塁手部門では外崎修汰(西武)が受賞となった。外崎は初めてゴールデン・グラブ賞を受賞したが、この「1.02 FIELDING AWARDS」においても初めてトップ評価を得た。外崎は非常に高い打球処理能力を見せながら、併殺を奪う貢献においてもほかの二塁手を突き放した。遊撃手部門において源田の高い併殺を奪う貢献について触れたが、外崎・源田の西武の二遊間コンビはこの部分で大きなアドバンテージがあったようだ。

 外崎に次ぐ2位は吉川尚輝(巨人)。吉川は外崎に匹敵する打球処理能力を見せたが、出場機会が少なかったこと、また併殺によって上積みを作れなかったことがトップに届かない要因となった。ただ吉川に1位票を投じたアナリストもいた。

 シーズン無失策記録を達成し、8年連続でセ・リーグのゴールデン・グラブ賞を獲得した菊池涼介(広島)は、3位という結果に終わっている。

 アナリストの分析によると、菊池のアウト獲得は送球による部分が大きく、打球に追いつくことを含めた捕球に関しては、外崎や吉川にやや後れをとっているよう。かつて二塁手のシーズン補殺記録を樹立するなど、守備範囲広くダイナミックなプレーのイメージがある菊池だが、守備のタイプとしては変容が見られている。

 また、あるアナリストは走者を塁に置いた状況で、より先の塁をアウトにする判断ができていたかどうかを評価に組み込んだ。この分析では、山田哲人(ヤクルト)の的確な判断能力が示される結果となっている。ただ採点は振るわず、山田は二塁手の8人の中で5位という結果に終わっている。

(DELTA)

DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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