ロッテ安田は“本物の4番”に成長できるか? 向上した変化球の対応と見つかった課題
昨季の貴重な経験をさらなる飛躍につなげられるか
21歳の若さで4番として抜てきされ、順位争いの重圧の中でチームの中心を務めた経験は、安田の今後の野球人生においても、大きな価値を持つだろう。だが、チームが激しい2位争いを繰り広げたシーズン最終盤に4番の座から外されたように、将来への期待を抜きにして単純な数字だけで判断すれば、4番打者に相応しい成績を残せていたとは言い難い。
それでも、エース格の投手の決め球を本塁打にしている点をはじめ、重圧のかかる打席が多い中で冷静にボールを選べている点、走者がいる局面では優れた打率を記録していた点、緩い変化球に対してきっちりと対応できている点といった、今後に期待が持てる非凡な打撃センスの一端は、今シーズンの戦いを通じて着実に示していたことも間違いない。
このオフに、昨季の戦いを通じて浮かび上がってきた課題へ取り組み、選球眼やブレーキングボールへの対応力といった長所はそのままに、打者としての弱点を徐々に減らしていくことができれば、今後は押しも押されもせぬ4番打者へと進化を遂げることも、十二分に可能なはず。この1年で得がたい経験を積んだ俊英は、この苦戦を糧にさらなる飛躍を果たせるか。安田が新たなシーズンで見せるバッティングには、あらゆる意味で要注目だ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)