元NPB戦士が沖縄でプロを続ける意味 始動から1年…「琉球球団」の可能性と課題
知名度まだまだ「いろんなところに出向いて、僕たちを知ってもらう活動を」
ここ数年多くのNPB選手を輩出し、高校野球の強豪も多い。「みんな野球が好きだなって感じますし、仲間意識が強い土地柄だなって。だから、仲良くなれば『応援するから頑張って』と言ってもらえる。そこに、やりがいは感じます」。沖縄でプロ野球選手を続ける意義を見出す。
ただ、県内ではプロバスケットボールチームの強豪「琉球ゴールデンキングス」や、サッカーJ2リーグに所属する「FC琉球」に比べると知名度はまだまだ。「もっといろんなところに出向いて、まずは僕たちを知ってもらう活動をしていかなきゃいけない」とも言う。
アピールの必要性は、身を以て感じてきた。岡山・作陽高から進学した環太平洋大では野球部1期生として活動。初めての経験ばかりで、うまくいかないことの方が多かった。それでも、4年間でリーグ4部だったチームは1部にまで昇格。自身は四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズをへて、ソフトバンク育成入団までつなげた。さらに15年からは支配下として中日でプレー。積極的な売り込みが奏功していた野球人生でもある。
新参者として球団が向き合う課題は、そのまま伸びしろであるとも思う。「もっとコミュニケーションをとっていければ、いい方向に進んでいくのかなと」。まだまだコロナ禍で不透明な状況は続くが、いつか“うちなーんちゅ”から真に愛される存在に――。これから二歩、三歩と歩みを進めていくことになる。