甲子園スター候補の“スーパー中学生” 父は元NPB戦士、15歳で130M弾の規格外

西武狭山ボーイズ・小野勝利(右)と父・剛さん【写真:小谷真弥】
西武狭山ボーイズ・小野勝利(右)と父・剛さん【写真:小谷真弥】

父・剛さんはプロ通算12試合登板「自分のような野球選手にならないように育ててきた」

 野球は打率3割で成功と言われる。多くの失敗の上で成り立つスポーツだ。小野が挫けそうになったことはないのか。「辞めたいと思ったことはないですね。本当に好きで始めたので。結果が出ない時に、どう考えるか、どう頑張れるかが大切だと思っています」。プロ一本に絞った中学生になってからは、チーム練習日でない時も1日3時間の自主練習を徹底。日頃のティー打撃では巨人・坂本らが行う5種類のティー打撃を実践している。求道者のようにストイックな生活を送っている。

 私生活では自身の打撃映像や憧れの中村剛也、落合博満らの本塁打集をYouTubeで研究している。「中学1年生の冬に中村さんがチームの室内練習場に来てくれたことも印象に残っています。まず(打撃の)音が違いましたし、打球もずっと同じような、いい打球を飛ばしていた。話したことはありませんし、見てるだけでしたが、本当に凄かった」と刺激を受けた。

 父・剛さんは2000年ドラフト7位で巨人入り。わずか2年で戦力外通告を受けたが、2003年からイタリアで現役続行。2004年に西武で日本球界復帰し、通算12試合登板にとどまった。現在は商社、飲食業、不動産を始め、プロ野球選手のセカンドキャリア支援などを行う実業家として活動している。「自分のような野球選手にならないように育ててきました。プロ野球は心の強さしかない。上手い、下手よりも強い選手しか残っていかない。自分の野球生活は後悔しかない。勝利はプレッシャーに強い子です。本塁打打者を目指すしかない」とエールを送る。

 父から“心”の英才教育を受けた15歳は高校進学を見据え、三塁、外野も練習中。昨夏から筋力トレーニングを開始した。将来の夢も定まっている。

「高校での一番の目標はドラフト1位でプロ野球に入ることです。高校では1年生からどんどん打って、甲子園、U-18でも活躍したい。中村さんのようなホームランバッターになりたいです。プロ野球では3冠王を取ってみたいです」。大志を抱き、高校野球界に飛び込む。

◆小野勝利(おの・しょうり)2005年4月10日、埼玉・所沢市生まれ。15歳。兄・将輝さんの影響で5歳から泉ホワイトイーグルスで野球を始め、一塁、三塁、外野でプレー。2017年に西武ライオンズJr.に選ばれた。中学で所属する狭山西武ボーイズでは主に「4番・一塁」で活躍し、通算28本塁打を記録。投手としては最速125キロ。昨年末の練習で推定130メートル弾を放ったパワー自慢だ。好きな食べ物は寿司(サーモン)で、白米は1日2.5合を平らげる。巨人・菅野、楽天・涌井らプロ野球選手のモノマネが得意だが、「似てると思うんですけど涌井は認めない」(父・剛さん)という。50メートル走は6.8秒。足のサイズは29センチ。右投げ右打ち。

【動画】15歳とは思えない驚愕の打球が次々と… “スーパー中学生”小野勝利選手の力強いスイングを映像で

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