西武の守護神・増田の凄さは? 被打率0割の“魔球”、セイバーで見る総合力の高さ

西武・増田達至【写真:PLM】
西武・増田達至【写真:PLM】

縦・横どちらのゾーンにおいても明確な差異が表れていた

 一般的に高めのコースは投手にとって危険なゾーンとされがちだが、増田投手の場合は、高めのゾーンにおける被打率がいずれも低くなっている。とりわけ、ストライクゾーン高めの両コーナーではいずれも打率.077と非常に優秀な数字を記録しており、速球を投じて三振を奪うシーンも少なくはない。高いボールを効果的に使えていたことが、これらの数字からもうかがい知れよう。

 また、真っ直ぐやスライダーが変化していく方向となる、投手から見て左側のゾーンの被打率も、ストライク、ボールの双方において低くなっている。それに対して、右側のゾーンにおいては、高めを除いて高い被打率を記録。得意とする変化球が動く方向とゾーン別の被打率が密接にかかわっている点も、興味深い要素だ。

 ただ、空振りを取る際に用いるケースが多い真ん中低めのボールゾーンで痛打を浴びているのは気になる点だ。縦のスライダー、あるいはスプリットをこのコースに落とす際のリスクが今以上に低くなれば、決め球から逆算した配球も容易になり、ひいてはより投球の幅が広がることにもつながる。来季以降、ボールになる変化球を今以上に有効に使えるかどうかは、注目する価値がありそうだ。

投手としての高い総合力が、クローザーとしての安定感にもつながっている

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