「監督として恥ずかしい」中日・与田監督が痛感する巨人との差と強化ポイント

中日・木下拓哉【写真:荒川祐史】
中日・木下拓哉【写真:荒川祐史】

正捕手は木下拓哉?「期待しているからこその厳しい評価」

 続いて、先発陣。昨年11勝のエース大野雄大に次ぐ8勝を挙げた福谷浩司の評価を聞いた。

「交代を告げる時にちょっと怖いくらいの表情がたくさん見られました。『完投するんだ。みんなに負担をかけないんだ』というチームに対する愛情や自分の責任を全うしたい気持ちを強く感じます。今年は2桁勝てるようにサポートしたいですね」

 柳裕也には進化を望んだ。

「まだ柳から『開幕、行かせてください』という話を聞きませんが、それくらいの意思は伝わってきます。『大野さんには負けられません』みたいなね。彼は苦手な部分を少しずつ克服してきましたが、さらに武器になるもの、これだけはというものを1個作ってほしいです」

 若手の台頭も必要だ。

「去年、怪我をした梅津(晃大)、小笠原(慎之介)、清水(達也)、山本(拓実)、終盤に頑張った勝野(昌慶)。彼らが安定した形でローテーションに入ってくれば、大きな連敗は免れるはずです。やはり先発ピッチャーがゲームを作らないと。今、言ったメンバーには期待を寄せています」

 正捕手は木下拓哉と思いきや、指揮官はまだ決めていなかった。

「確かに木下は終盤よく頑張りました。でも、途中までは全くと言っていいほど駄目でした。期待しているからこその厳しい評価です。ピッチャーができないものをさせるのがキャッチャー。それがやっと終盤にできるようになった。では、なぜできるようになったのか。そこを考えた上で木下にはもう一度チャレンジャーの気持ちでキャンプに臨んでもらいたい。郡司(裕也)も加藤(匠馬)もベテランの大野(奨太)もいるし、アリエル(マルティネス)にもチャンスはある。木下には危機感を持って欲しいですね」

 昨年8年ぶりのAクラスに入った与田竜。今年は頂点を目指す。

「優勝という目標は、より力強く思うようになりました。『楽しく』という言葉を誤解されたくないんですが、野球を皆さんに楽しんでもらえるシーズンにしたい。好きで始めた野球がプロに入った途端、苦しくなることがあります。でも、原点に帰って、大好きな野球をみんなで楽しむ。それが一番優勝に近づくんじゃないかと思うようになりました。楽しむためには何が必要か。そこはプロですから、分かっています。準備です。しっかりと準備したいと思います」

 26日の打ち上げまで無観客が決定した今年の沖縄キャンプ。昇竜復活へ。指揮官は緻密に周到に準備を進めて行く。

(CBCアナウンサー 若狭敬一/ Keiichi Wakasa)
<プロフィール>
1975年9月1日岡山県倉敷市生まれ。1998年3月、名古屋大学経済学部卒業。同年4月、中部日本放送株式会社(現・株式会社CBCテレビ)にアナウンサーとして入社。テレビの情報番組の司会やレポーターを担当。また、ラジオの音楽番組のパーソナリティーとして1500組のアーティストにインタビュー。2004年、JNN系アノンシスト賞ラジオフリートーク部門優秀賞。2005年、2015年、同テレビフリートーク部門優秀賞受賞。2006年からはプロ野球の実況中継を担当。現在の担当番組は、テレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜12時54分~)「High FIVE!!」(毎週土曜17時00分~)、ラジオ「若狭敬一のスポ音」(毎週土曜12時20分~)「ドラ魂キング」(毎週金曜16時~)など。著書「サンドラのドラゴンズ論」(中日新聞社)。

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