田中将大、8年ぶりの日本復帰でも“失敗しない理由” 楽天石井監督の分析とは…
指揮官は「ここのマウンドは日本で1番柔らかいくらい」とアドバイス
楽天・田中将大投手が7日、沖縄・金武キャンプで初めてブルペン入り。変化球を交えて52球を投げ込んだ。8年ぶりの日本球界復帰とあって、一般にメジャーより柔らかいといわれるマウンド、メジャーより一回り小さく革質も違う使用球、中4日から中6日となる見込みの先発ローテに順応できるのか、懸念の声も上がっている。しかし石井一久GM兼監督には、“マー君は失敗しない”という確信がある。
ブルペン入りする田中将へ、石井監督と小山投手コーチは「ここ(金武町ベースボールスタジアムのブルペン)のマウンドは(日本で)1番柔らかいくらい。他はもう少し硬いから」とアドバイスを送ったという。
実際にピッチングを見守った石井監督は「正直言って心配していなかったが、順調にステップを踏んでくれている」とうなずき、日米のマウンドの違いについても「僕は関係ないと思っている。田中投手は左足の使い方が柔軟で、マウンドが硬くても柔らかくてもアジャストしてくれると思う。バーンと体重をぶつけるステップではなく、左膝のクッションを使うメカニックを持っているので、あまり心配していない」と説明した。
柔らかいマウンドは土が掘れやすいため、硬いマウンドに慣れた投手は投球フォームのバランスを崩してしまいがちだが、田中将自身も「ここでちゃんと投げられれば大丈夫かなと思います」と手応えをつかんだ様子だ。
他にも使用球、先発投手のインターバルなど、日米の違いは枚挙にいとまがないが、田中将は「確かにしばらくやっていなかったことだけれど、それ以前には経験していたので、あまり心配していない。日本からアメリカへ行くのに比べれば、そこまで苦労しないのではないか。現時点ではそう思っています」と頼もしい。
田中将はメジャー1年目の2014年、何もかもが初体験の環境で、右肘靭帯の部分断裂に見舞われる逆境にも耐え、保存療法を施しながら13勝5敗、防御率2.77の好成績を挙げた。その対応力をもってすれば、過去に経験している日本の環境に感覚を戻すのには、それほど時間はかからないのかもしれない。そこもまた、田中将の類まれな資質といえそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)