田中将大の弟子入り1号は星野仙一さん後輩 直伝スプリットで3年目の飛躍なるか?
高卒3年目の188センチ右腕引地は昨季イースタン1勝、小山投手コーチ「田中の重なる部分もある」
8年ぶりに楽天に復帰し、沖縄・金武キャンプに参加している田中将大投手。7日の練習中には“弟子入り1号”が現れた。3年目の20歳、引地(ひきじ)秀一郎投手。一体どんな男なのか。【宮脇広久】
引地はこの日、小山伸一郎投手コーチに促され田中将を直撃。伝家の宝刀スプリットの握りや投げ方について教えを乞うた。田中将は自分でボールを握って見せながら、丁寧に教えた。田中将は6日にキャンプへ合流した際、ナインへ向けて「僕に伝えられることがあれば答えていくので、気軽に聞いて下さい」とあいさつしており、早速実践した格好だ。
プロ入り後、いまだ1軍登板はなく、昨季のイースタン・リーグでは8試合1勝0敗1セーブ、防御率1.56。身長188センチ、体重84キロの恵まれた体格から投げ下ろす最速151キロの速球が持ち味の右腕である
もともと引地のスプリットは一昨年の秋季キャンプ中、現役時代に田中将と同僚だった小山コーチから「田中はこう投げていた」と教わったもの。小山コーチを介して田中将のスプリットを伝授されていた。
「これまではイマイチ精度が上がらなかった。ご本人に聞けたのでうれしい」と感慨深げな引地。その結果、「根本的に握りが少し違っていました。それに、僕は『だいたいそこらへん』というアバウトな感じで投げていましたが、田中さんは軌道、コースなど、しっかりイメージを持って投げていることがわかりました。見習いたい」と合点がいった。
「引地はまだ若いし上背もある。田中と重なる部分があるので、何かヒントになればと思いました」と小山コーチ。「田中自身も『気軽に聞いて』と言っていたけれど、もともと控えめな性格。引地に限らず、僕がきっかけをつくっていければいいと思います」と橋渡し役を務めるつもりだ。
引地は岡山・倉敷商高出身。田中将が楽天を日本一に導いた2013年当時の指揮官・星野仙一元監督(18年1月死去)の後輩にあたる。引地自身は「お会いしたことはありません」と言うが、「星野2世」の異名もある。“マー君スプリット”の習得がブレークのきっかけとなるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)