“事実上の戦力外”DFAとは? ブルージェイズ・山口俊に残された「3つの選択肢」
Designate for Assignment(DFA)はロースター40人枠を空けるための措置
ブルージェイズは10日(日本時間11日)、山口俊投手をロースター40人枠から外す手続きをとった。これはDesignate for Assignment(DFA)と呼ばれるもので、「事実上の戦力外」とも表現される。しかし、日本の野球界で用いられる「戦力外」とは意味が異なり、より複雑なものとなっている。
DFAは球団がトレードやFAで新しい選手を獲得したり、マイナー選手を昇格させたりする場合などに、40人枠を空ける目的で行われる。山口の場合も、ブルージェイズは同日にレッドソックスからウエーバーにかけられていたジョエル・パヤンプス投手を獲得しており、山口はその枠を空けるためにDFAで押し出された形だ。
DFAされた選手は、その日から7日以内にトレードされるかウエーバー公示される。ウエーバー公示とは球団が選手の支配権を放棄することを意味し、期間中に他球団が獲得を申し入れれば自動的にその球団への移籍が決定する。この場合、年俸などの契約内容はもともと所属していた球団のものが引き継がれる。
獲得を申し入れる球団が現れなかった場合は、マイナー降格、または解雇となる。ただし、メジャーでのサービスタイムが3年以上の選手や過去に降格を経験している選手は降格を拒否し、FAになる選択肢を持つ。山口は上記の要件は満たさないが、契約上本人の許可なしにマイナーに降格されることはないとされている。
つまり、山口がこれから辿る道筋としては、1.MLB他球団へ移籍、2.マイナー降格、3.解雇という3つの可能性が残されている。キャンプ開始目前の“非情通告”。山口に吉報は届くだろうか。
(Full-Count編集部)