期待され続けて8年目 鷹・上林誠知を再起に導く“変化”「迷うことがない」
「去年は結果が出ても、これでいいのかなという疑問もあった。今はないので、それが違う」
ここまでのキャンプには手応えを感じている。「去年は結果が出ても、これでいいのかなという疑問とかもあった。今はないので、それが違う。やることが決まっているときは迷うことがないので、メンタル面での安定感というのは今の方がある」。第3クールに行われたシート打撃では4打数3安打。結果も出ている。
オフの契約更改では「自分に優しくなりたい」と、自身に厳しすぎるストイックさを反省。また、仙台育英時代の恩師である佐々木順一郎監督(現学法石川監督)から「周りに心配かけちゃいけない。夢の中にいるのに悩むなよ」と指摘されたことを明かし「行動、表情には気をつけたいと思います。いつもならヒットを打っても首を傾げたりがあった。1番悪い凡打はセカンドゴロ。そういう凡打のときはいいけど、それ以外は悲観せずにやっています」と、メンタル面でも変化を感じている。
その能力の高さはもはや疑うところはない。工藤公康監督でさえも「能力からすれば脚もあって、守備もよくて、長打も打てる。それは誰しもが知ってる話。打撃コーチからすれば彼に期待したいところあると思う」と言う。求められるのは結果だけだ。
15日からは紅白戦がスタートし、外野のレギュラーの座を争う熾烈な競争も本格化する。「普段通りに自分のプレーができれば、負けないという気持ちは強い。変に力むことなく、普段通りできたらいいのかな、と。周りのことは全然気にしていないので」。一度はレギュラーを奪いながら、ここ2年間苦しんできた上林。早くも8年目となる2021年、再起と覚醒に期待したい。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)