DeNA仁志2軍監督ノーサインで初陣白星 二盗失敗、牽制死も若手を褒めた理由は?
「全く走ろうと思わない選手は、牽制に引っかかることもない」
この日のDeNA2軍は、1軍での実績も豊富な桑原将志外野手、3年目の知野直人内野手が1度ずつ二盗に失敗。高卒2年目・19歳の田部隼人内野手は牽制球に刺された。
しかし、仁志2軍監督は田部を叱らなかったという。それどころか、「褒めたというと変ですが、『一歩、進歩したんじゃないの?』という話はしました」と明かす。「(田部は)これまで走塁に関しては意欲的なタイプではなかった。そういう選手が走ろうという雰囲気を出して、投手にたくさん牽制させて、アウトになるくらいリードを取っていた。全く走ろうと思わない選手は、牽制に引っかかることもないですから」と評価した。
盗塁失敗についても、「(ノーサインで)自分の意志による盗塁ですから、こういうことを重ねていけば、どのタイミングで走れるのか、この投手にはどういう癖があるのかを観察する習慣ができてくる。これからも続けていこうと思います」と前向きにとらえている。
もともと盗塁への意識が薄く、技術もない選手の失敗を咎めても意味はない。仁志2軍監督は、NPB球団で指導者を務めることこそ初めてだが、指導経験そのものは多彩かつ豊富だ。侍ジャパンのトップチームのコーチのかたわら、2014年から20年まで7年間に渡り、小学生年代の侍ジャパンU-12の監督を務めた。レベルを少しずつ押し上げていくには、最適な指導者といえるかもしれない。2歳下の三浦大輔1軍監督とのコンビで、昨季Bクラスの4位に沈んだDeNAをどう立て直すか楽しみだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)