NPB打者を空振り三振に… 夢への一歩を踏み出した“SNSナックルボーラー”の今

馬原氏「小学生や中学生でも打てる可能性も、打てない可能性を考えた場合はプロの一流まで横一線」

 自分が磨き上げてきた“魔球”に自信も得た。揺れて落ちる予測不能の軌道にオリックス打者の反応も様々。ファウルで粘り、時には首をかしげる。佐野自身も「ジャストミートされたのは打たれたヒット1本ぐらいだったと思う」と語る。

 心強い存在もいる。チームの投手コーチを務めるのはソフトバンク、オリックスで通算182セーブをマークした馬原孝浩氏だ。一芸を武器にする佐野について「多分、小学生や中学生でも打てる可能性もあると思う。でも、打てない可能性を考えた場合はプロの一流まで横一線。それぐらい変化が1球1球違う」と評価する。

 最速130キロのストレート、そして100キロ~110キロ台のナックルで一流打者をねじ伏せるのは相当高いレベルが求められる。今後の課題については「ただ、精度という意味ではまだ未完成。精度さえ上がってきてクイックとか技術的なところが上がってくると結構、幅が広がってくる。緩急という意味でも面白い。能力がそれほど高い子ではないので、自分の能力(ナックル)をフルに最大限引き出してやっていけば面白いと思う」と、ナックルを突き詰めることを求めている。

 今後も「火の国サラマンダーズ」はソフトバンクの3軍などNPB球団とも試合を行っていく予定。今春に全ての単位を取得し千葉大の卒業も決まり「このリーグで活躍してNPB、MLBに入ることが目標です」。異色の右腕の挑戦はまだ始まったばかりだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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