有原獲得に心血注いだレンジャーズ 投手コーチは高校時代の映像もチェックしていた
サガラ投手コーチは昨年、自宅で有原の投球を細かに分析したという
日本ハムからポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指した有原航平投手は2年総額620万ドル(約6億5400万円)でレンジャーズと契約を結んだ。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は、右腕がレンジャーズを選んだ背景を特集。投手コーチが有原の投球映像を高校時代まで遡ってチェックするなど、深く考察していたことをあげている。
有原にとってメジャー挑戦は、早大4年時に日米野球で米国を訪れた時からの憧れ。移籍交渉では知名度や地理的条件などを考慮に入れず、レンジャーズはダルビッシュ有投手ら多くの日本人投手が活躍してきたことも関係なかったようだとしている。
では、なぜ有原はレンジャーズを選んだのか。同メディアはレンジャーズが有原の能力を既に把握していたこと、そして成長するための提案をしたからだと指摘した。ブレンダン・サガラ投手コーチは有原の投球に関して深く分析。そのリサーチは広陵高時代にも及んでいたという。
「(有原が)高校で投げている映像も見た。多くの映像を見て投球動作などを解析しようと試みた。体がどう変ってきたかもチェックした。その結果、まだ伸びる可能性があると感じた。それは球種の使い方や組み合わせなどシンプルなものだ。いくつかの球種は今よりもさらに良くなるだろう」
レンジャーズはさらに弾道測定器「トラックマン」のデータにもアクセスして日本ハムでの投球パフォーマンスを分析。コロナ禍で開幕が大幅に遅れた昨年、サガラ氏はハワイ・ホノルルの自宅から有原の投球をチャートをつけながら入念にチェックしたという。サガラ氏は有原の特長にコンタクト率が低いこと、球種が多いことを挙げている。
ジョシュ・ボイドGM補佐は「我々が話したことに(有原は)興味を持ってくれた」と語る。最近の投球だけではなく高校時代にまで遡って有原をチェックし尽したレンジャーズ。その熱意が実を結び、獲得にこぎつけたようだ。
(Full-Count編集部)