ダルビッシュの「考え方を参考に」 元日ハム武田久氏が一目置く後輩の凄さとは
日本ハムで注目するのは“盟友”宮西&“教え子”の生田目
古巣・日本ハムの現役選手では13年連続50試合以上登板し、前人未到の358ホールドをマークしている宮西尚生投手に注目している。ともにリリーフとして北海道移転後の全盛期を支え、今でも連絡を取り合う仲だ。「遠いところに行っちゃってるんでね。もう“宮西さん”ですよ。神様みたいになっちゃって」と冗談めかして笑うが、宮西が若い頃から「すごい」と感じていたことがあるという。
「ピッチャーって打たれることもあるじゃないですか。でも、あいつは意外と決定打を浴びないんですよ。同点に追いつかれても逆転されないとか、ギリギリで帰って来ることができるタイプ。失敗して4、5点取られるピッチャーもいるじゃないですか。でも、あいつは若い頃からメロメロにはならないです。どこかで抑えて帰ってくる。すごいなと思って見ていました」
それは首脳陣やチームメートの信頼を勝ち取るために大切な能力だ。「3者三振を取れたら、見栄えもいいし、素晴らしいです。でも、特にリリーフは、やられた時のやられ方で、すごく差が出ると思います。調子のいい時よりも、ちょっと打たれた時の方が僕は大事だなと思って投げていました。あいつ、去年抑えやって、結構打たれたりしたじゃないですか。でも、抑えシチュエーションで1回も失敗してないと思うんですよ。点を取られながらも、そういうところだと思います」と最悪のケースにまでには陥らない絶妙な危機回避能力を絶賛した。
日本ハムの生命線と言える勝利の方程式を担った2人。武田氏自身も2006年には75試合に登板するなどタフさを誇っただけに、宮西の13年連続50試合登板のすごさがよく分かる。「肘とかあまり良くないと思いますが、絶対的な長期離脱をしないじゃないですか。体が強いというのもあるし、技術面や駆け引きも。若い時は、どちらかというと“行ってやれ!”的なピッチングが多かったですが、年々繊細さを持ち合わせてきていますよね。40歳ぐらいまでいってほしいです」とますますの活躍を期待している。
もう一人、日本通運時代に指導した生田目翼投手も気になる選手だ。ドラフト3位で入団した右腕は、2年間で登板7試合と1軍に定着できていない。「もっとマウンドでバタバタしないで投げればいいのにと思って見ています。でも、自分のピッチングスタイルというか抑え方がまだ確立されていないからかな。真っすぐに力があるし、しっかり真っすぐを両サイドに投げてファウルを取っていきながら、シンプルにいけばいいと思いますよ」と教え子にエールを送った。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)