元ロッテ・チェン、CPBLドラフトでは注目の的に 社会人チーム所属で3月末に登板へ
五輪最終予選出場の可能性は大
6チームが、残りの出場枠1枠をかけて争う東京五輪最終予選は、ドラフト会議の前、6月16日から台湾で開催される予定となっている。チェンは1月27日に行われた安永鮮物の入団記者会見で、この最終予選への出場について問われ、「チームと相談してから」と、即答は避けたものの、会見に立ち会った関係者は「全力で応援する」とGOサインを出した。春季リーグでの調整が順調であれば、出場する可能性は高そうだ。
昨年12月、チェンが、2歳の娘さんら家族のために台湾への帰国を決めた、という一報を聞いた時、彼らしいその決断を理解し、応援しつつも、同時に、マリーンズのユニフォーム姿が見られなくなることに寂しさを感じたのは私だけではないだろう。
チェン自身も、マネジメント会社や家族と相談し、熟考した末の決断だったといい、退団発表直後には、活躍の機会を与えてくれたロッテに改めて感謝の言葉を述べた。
一方で、台湾球界、そしてCPBLにとっては、実働7年、NPBの1軍で、先発28試合含め136試合に登板した実績をもつ左腕の帰国は、明るいニュースだ。短期間とはいえチームメイトとなる安永鮮物の選手含め、特に台湾の若い投手にとって、いいお手本となることは間違いない。また、左の好投手が国内に少ないなか、このレベルの投手と頻繁に対戦できることは、打者にとってもプラスとなるだろう。
そんなチェンがこのオフ、事あるごとに嬉しそうに語っていたのが、昨季、ロッテで短期間チームメイトになったチェン・ウェイン(現阪神)から貴重なアドバイスをもらった、という話だ。シーズン中から、チェン・ウェインに色々と質問していたというチェンは、このオフも合同自主トレを行い、トレーニングメニューのほか、技術面や精神面についてもさまざまなアドバイスをもらったという。そして、特にフォームに関するアドバイスについては、動画を録画し復習しているという。「憧れのウェイン先輩という目標に向かって突き進んでいきたい」と語るチェン、ドラフト1巡目の指名が確約されている中にあっても、決して奢ることなく、さらに高みを目指そうとする姿勢は、CPBLの選手達にとっても、いい刺激となるはずだ。
即戦力のチェンは、ドラフト指名後すぐに契約がまとまり、1軍デビューする可能性が高い。その際のコンディションにもよるが、早ければ7月中にもCPBLの1軍でプレーする姿が見られるかもしれない。なお、CPBLの試合は、日本からも「CPBLTV」などオンラインで視聴が可能だ。もちろん、日台の自由な往来が解禁されたあかつきには、ぜひ球場を訪れ、直接、声援を送って欲しいと思う。「ドレスコード」がゆるい台湾では、ロッテやDeNAのユニホームで球場を訪れ、チェンを応援しても全く問題はない。日本からかけつけたファンの姿をみつけたら、きっと最高の「チェン・スマイル」をみせてくれることだろう。
(「パ・リーグ インサイト」駒田英)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)