「村上スタイルで使い続けていれば…」燕OBも“放出”惜しむ廣岡大志の将来性
主砲・村上は失策数や三振数に目をつぶり2年目に全試合出場でブレーク
廣岡は今季でプロ6年目。同じ高卒の山田哲人が4年目でブレークしたのを考えると、もう1、2年前に台頭してほしかったというのが球団の本音かもしれない。ただ野口氏は、覚醒させる環境を作ってあげるべきだったとも言う。
「もう1、2年早く我慢して使い続けておくべきだったのかなと。“村上スタイル”で、少々のことは目をつぶって使い続けていれば、一気に花開いた可能性も高かったと思います」
主砲に成長した村上宗隆は、プロ2年目の2019年に全143試合に出場。一塁や三塁で計15失策を記録し、リーグ記録を更新する184三振を喫したものの、36本塁打96打点をマークして新人王を獲得した。昨季も全120試合出場で28本塁打、86打点と主力として台頭した。
“使いながら育てる”のは我慢が必要。だが、実った時の見返りは大きい。加えて、ここ2年間のペナントレースではシーズンの比較的早い段階でリーグ下位に低迷。「未来を見据えた起用に舵を切ることもできたのでは」と野口氏は推し量る。
それでも廣岡にとっては、きっかけを掴むチャンスにもなるトレード。巨人には、2018年から2年間指導を受けた石井琢朗氏が1軍野手総合コーチとしている。さらに、主砲の岡本和真は智弁学園の1学年上で、馴染みやすい環境でもありそうだ。
「望まれていくわけなので、このトレードを前向きに受け入れてほしいですね。巨人としては、坂本勇人の次の打者が欲しいとなったときに、将来的に夢のある大志だったのでしょう」。そうエールを送った野口氏。未完の大器は、新天地で開花の時を迎えるか――。
(Full-Count編集部)