衝撃的だった“ロッテ澤村拓一”の「幕張剛腕伝説」 嵐の如く過ぎた日々を振り返る

短期間でチームの精神的支柱に 結果と背中で後輩たちへ示したものとは

 澤村は打者に対して真っ向勝負で挑み、雄叫びをあげるほど気迫を全面に押し出す投球スタイルが印象的だ。その情熱は選手やファンにも伝わっていたことだろう。そして、入団してわずか数か月でチームの精神的支柱となっていった。

 象徴的な一戦がある。ロッテはシーズンも大詰め、「パーソル CS パ」進出へ向けて負けられない戦いが続いていた。10月29日のソフトバンク戦。8回に登板した澤村は1失点し、リードを1点に縮められていた。そして最終回、抑えの益田直也投手と田村龍弘選手がまさかのバッテリーミス。サヨナラ負けで首位ソフトバンクに痛恨の3連敗を喫した。

 試合後、責任を感じてうずくまる田村の元に真っ先に駆け寄ったのは澤村だった。自身の登板に悔しい思いはあったに違いない。しかしチームや田村のためを思い、一番に田村の元に寄り添った。精神的支柱として前に立ち、背中で見せる姿は多くの若手選も伝わったことだろう。実績だけではないところでも、澤村の存在はチームの「パーソル CS パ」進出に大きく貢献したと言える。

重要な一戦で先輩から受けたバトン“燃えないワケがないでしょう”

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