怪我をしても「無理をしない」勇気を 甲子園3度出場の元プロ戦士が伝えたいこと
現在は野球とは離れた物流業界で仕事をしている石井氏
「社会に出た時にも通じる基本的なことも野球にはたくさんあります。電車の中で携帯電話で通話をしたらいけない。椅子ではないところに座り込んで喋っているようなことは変えていきたいなと思いますね。そういう子供たちを最近、見かけたので」
今は野球とは離れた物流の業界で仕事をしているが、引退後も埼玉の高校野球を観戦したり、知人の少年硬式野球チームの指導をお願いされるなど、野球と触れ合っている。高い打撃技術を噛み砕いて子供たちに伝えられるよう、日々、勉強中だ。
「下半身主導で打つようバッティングを教えていきたいですね。守備ではボール回し、キャッチボールも丁寧にやることの大切さを伝えたいです。そういったことをできれば長いスパンで付き添ってあげたいなという思いがあります。子供達の変化が見たい、部活だったらそれができると思うんです」
元プロ野球選手の中には、母校から指導を頼まれて資格回復をするOBもいる。今回、回復した139名の中から、すでに指導をスタートさせた人もいる。石井氏は純粋に「野球の指導者になりたい」という思いを抱き、今回、受講した。一人の野球人として、伝承していきたい――。そんな気持ちが伝わってきた。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)