「機動破壊」から「打撃破壊」へ 健大高崎が長打重視にシフトチェンジした意図とは
フリー打撃では12メートルの距離から投手が全力投球
打撃練習は壮観だ。4か所つくられた打撃ケージ。約12メートルという近距離から打撃投手は全力投球を試みる。体感速度で150キロに達するボールを打者はガンガン打ち続ける。これに低めの変化球も加える。ストライクからボールになる変化球を見極めることが目的だという。
基本的にピッチングマシンは使用せず、全員が打撃投手、捕手を持ち回りでこなしてきた。「マシンが相手では打ち返すだけ。やはり投手のモーションに合わせてタイミングを取ることが重要だと思います。打撃投手を務めることでスローイング強化はもちろんのこと、打者としての視点も養える。打者に一番近い位置にいる捕手をやってもらうのもそういう意図があります」と赤堀氏は語る。
しっかりと自分の形をつくって投球を待つ。これができるようになれば、“打者主導”で投手と勝負できるようになるという。昨秋の関東大会は4試合で8本塁打という長打力で2年連続頂点に立った。「打撃では確実性を高めようとやってきました。選抜では一戦必勝で戦って頂点を目指したい。個人的には60本塁打を超えたいと思いますし」と小澤は力を込める。
例年の練習は打撃と守備の配分が6:4くらい。しかし今年の3年生世代は「9:1くらいの割合で打撃に比重を置いてきた」(チーム関係者)という。「機動破壊」から「打撃破壊」のチーム、変貌を遂げた健大高崎が聖地でどんな野球を見せるか。初日第3試合で下関国際(山口)と激突する初戦は必見だ。