“破壊した”金属バットは20本 母校の先輩・巨人岡本を凌駕する智弁学園主砲の素顔
甲子園のバックスクリーンに放り込むイメージで練習中
そこでこの冬に取り組んだのがフォームの微調整だ。
「今は甲子園のバックスクリーンに本塁打を打つために無駄のない動きをやって、ボールを引き寄せて強く振るっていうことを意識してやっています」
甲子園では1年夏と昨夏の交流試合で4番を任され共に安打を記録するも本塁打は生まれていない。バッティングの動作に必要のない動きがあり、遅れて差し込まれたりすることが多かった。
「監督さんから寝かせてそのまま入っていけるようにということを教えていただいてそれを実行しています」
スイングの軌道にすぐにバットを入れられるようにした。さらに前川は憧れの先輩との大きな違いを改善しようと下半身の使い方も再確認したという。
「岡本さんは柔らかく打っているけど、自分はかたいというかバッティングに柔らかさがないと監督に言われていたので、柔らかさを大事に。なんでも力任せにいかずに下半身からしっかり打てるように意識しています」
夜の自主練習が終わっても前川の1日は終わらない。就寝前の自室でのストレッチ時間を大切にしている。
「過去の自分と今の自分の違いを大事にしているんで、今は何が違うとかそういう成長をみるためにメモをとっています」
その日の練習動画を繰り返し見る。修正が必要ならばその時間からでももう一度バットを握り、納得いくまで振り続ける。有意義なストレッチ時間は股関節の柔らかさももたらし、つっぱりがなくなってスムーズに下半身が回転するようになったという。
プロ野球選手になるには人の嫌がることも率先してやる。1回ずつ意図を持った1200回の素振りも毎日欠かさず、夢を叶えるために指揮官の教えを忠実に守り続けてきた。
「日本一になることを大前提として、個人としてはチームのために結果を残す、貢献する、バックスクリーンに本塁打を打つことを目標にやっていきたいです」
心身ともに球界を代表する大先輩により近づいて春を迎える。