兄は巨人右腕、明豊・太田虎次朗はプロ注目の左腕「自分は気持ちがまだ弱い」
明豊は背番号「1」の京本、「10」の太田の“2枚看板”
第93回選抜高校野球大会が開幕した。大会3日目(21日)に東播磨(兵庫)と対戦する明豊(大分)にはプロ注目の2投手がいる。最速143キロを誇るエース右腕の京本眞と、今大会トップの奪三振率13.36を誇る左腕・太田虎次朗。2人は切磋琢磨しながら甲子園へやってきた。巨人・太田龍投手を兄に持つ左腕に思いを聞いた。【市川いずみ】
これほどまでに独特の間を持つ選手は初めてだった。1つ質問を投げかけると、少なくとも5秒は考える。口を開くと、ゆっくり言葉を紡いでいった。おそらくこの「間」の取り方はマウンドでも大きな武器になっているのだろう。
太田虎次朗は最速141キロの左腕。昨秋は公式戦6試合に登板し48奪三振、奪三振率は13.36と今大会出場選手でトップだ。兄は巨人の太田龍だが、“プロ野球選手の弟”ではなく、太田虎次朗として今大会注目投手の一人として名前が挙がっている。
しかし、背中に背負うのは1番ではなく10番だ。1番を背負うのは京本眞。太田・京本の左右2本柱ではあるが「1番をとりたいという気持ちはある」とライバル心を露にする。
ハキハキ話す京本と、ゆっくり話す太田。話していても対照的だが、太田はこの性格の差が自分がエース番号を貰えない原因ではないかと分析する。「自分は気持ちがまだ弱いところがあって投げていて不安になるときがありました。京本は自信を持って投げられていると思います」。
不安な気持ちが少しでも顔を覗かせると、ストライクが入らなくなるなど投球に影響が出る傾向があったという。太田から京本へ継投する際は「マウンドで『任せろ』って強気なことを言ってくるんです」。実際に口にできるところにエースたる所以を感じていた。