継投策から一転…エースが2連続完封 主将不在で一丸となった東海大相模の成長
天理のエース・達は左脇腹を痛め登板回避、中村監督「登板は100%全くなかった」
東海大相模は準決勝で天理に2-0で勝利し、10年ぶりの決勝戦進出を決めた。初戦、2回戦を継投で勝ち上がると準々決勝、準決勝はエース・石田隼都投手が2試合連続完封の快投。一方、敗れた天理は準々決勝まで先発してきたエース・達孝太投手が仙台育英戦で左脇腹を痛めた影響でベンチスタート。背番号「17」の左腕・中川が8回1失点の好投をみせたがベスト4で姿を消した。
東海大相模は甲子園の“前半戦”と“後半戦”では対照的な投手起用となったが門馬監督はエース・石田に先発を伝えたのは今朝だったことを明かし「前回もそうだったが厳しい試合になる。天理を考えるより自分たちを考えよう。前回に続きキャプテンの大塚がいない。その中で石田がマウンドにいるなかで選手たちの安心感をとった」と説明した。
主将の大塚瑠晏は急性胃腸炎のため準々決勝に続きこの日もベンチを外れた。現在も入院しているため、今大会の復帰は難しいのが現状だ。それでも指揮官は「大塚がいない中、軸になるのは間違いなく石田。試合前のシートノックでも石田が『声を出して行こう』と。チームになってきたなと。技術だけでなく本当の中心選手に、つながるチームになっていた」と目を細めた。
一方、天理の中村良二監督は試合後に達が左脇腹を痛めていたことを明かし、この日の登板は「100%、全くなかった」と、マウンドに上げることは考えていなかった。中川、南沢の2投手で相手打線を2失点に抑え「本当にピッチャーはよくやってくれた。(ベスト4は)僕の中では大満足」と、エース不在の中で接戦を演じた投手、そしてナインを称えていた。
2011年以来、10年ぶりの選抜制覇に向け門馬監督は「明日もう一回試合ができる、甲子園で試合ができるのは嬉しいこと。相模の縦じまのプライドを胸に頑張ってもらえたら」と期待を込めていた。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)