全国大会でもリーグ戦方式を採用 ポニーが唱える「野球は試合に出て覚えよう」

肩・肘検診を行う慶友整形外科病院の古島弘三医師(右)【写真提供:日本ポニーベースボール協会】
肩・肘検診を行う慶友整形外科病院の古島弘三医師(右)【写真提供:日本ポニーベースボール協会】

障害予防の取り組みに成果、肩・肘検診では新規故障は発見されず

 子どもたちを故障から守り、将来大きく羽ばたけるようにサポートすることを目的にした「SUPER PONY ACTION パート1」は今大会でも実施された。1試合の投球数は75球まで、1日50球以上投球を行った場合は翌日の投球禁止、同日の連投及び投手捕手兼任は禁止、といった投球限度を適用。ポニーリーグでは試合中の投球数制限のみならず、練習時の投球数にも目安を設け、練習過多による障害を予防しようと努めている。

 会場では、協会の常務理事CMO(最高医療責任者)でもある慶友整形外科病院の古島弘三医師による肩・肘検診も実施され、80人ほどの選手が受診した。エコー検査では小学生の時に痛めた古傷も確認できるが、今回の検診では古傷を持つ選手には改善が見られた他、新たな故障が見つかった選手はいなかったという。2019年12月から本格的に取り組む障害予防の成果が確認された形だ。

「SUPER PONY ACTION パート1」では、その他にも怒声・罵声の伴う指導や応援に対してイエローカードを掲出したり、子どもの副流煙による影響を避けるために喫煙場所を確立したりするなど、保護者・指導者の意識向上を求める施策もある。今大会ではイエローカードが掲出されることはなく、喫煙マナーもきっちり守られるなど各施策が定着。子どもを第一に考える環境が整いつつあることを実感したという那須勇元事務総長は、「結果として子供たちが順調に育ってきてくれていると思っている」と大会の手応えを口にした。

 次回予定される全国規模の大会は、7月の「全日本選手権大会」となる。ポニーリーグの理念が各地でさらに浸透し、子どもたちが怪我なく伸び伸びとプレーする姿を期待したい。

【画像】第5回全日本選抜中学硬式野球大会 出場チーム・結果一覧

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY