「その時のことが頭を…」DeNA三浦監督に初勝利を贈った高卒4年目右腕が涙した理由
初勝利のウイニングボールは「せっかくなのでいただきました」
昨季はイースタン・リーグで勝率1位に輝いた阪口のプロ初勝利は、当時2軍監督だった三浦監督にとっても感慨深いものだった。選手から渡された監督初勝利のボールを、指揮官はそのまま阪口に渡した。阪口は「最初は監督のためのボールだと思っていたが、せっかくなのでいただきました。どちらが正解なのか分からなかったが、監督に言われたので」と周囲を笑わせた。
三浦監督は「去年もファームで日に日に成長していたし、オープン戦でもいい投球を続けていた。開幕ローテからは漏れたが、しっかり調整してくれた」と、自身の初勝利をプレゼントしてくれた愛弟子に感謝した。投球数が100球を超えた5回のピンチは継投の選択肢もあったが、「今日だけではなく、今後のことも考えた」と続投させ、「自分で乗り越えたことによって、阪口にとっても大きな財産になったと思うし、本当に大きな1勝になった」と期待に応えた右腕の初勝利を喜んだ。
開幕8戦勝利なしの新監督のピンチを救った“三浦チルドレン”。どん底から反攻の狼煙を上げた。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)