現代にも続くファンと共に歩むプロ野球 芽吹いていた70年前のパ・リーグ

ファンと共に歩むプロ野球は、70年前のパ・リーグで芽吹いていた

 やや小さいが、紙面中央の位置にある小見出しに注目して欲しい。「パ・リーグ、中小学生を招待」とある。4月17日の後楽園球場での試合で、5年生以上の小学生と、中学生をなんと無料で外野席に招待している。申し込み先着1万5000人とこちらも驚きの数だ。

「戦前から『同伴の子どもは無料』という、子どもたちを招待する企画はありましたね。ちなみに戦時中ですと『軍人は無料』というのもありました」(井上さん)

 現在では、球団が子どもたちを球場へ招待することはもちろん、個人でも同様の活動をする選手もいる。さらには、試合への招待だけでなく、球場の内外で様々な交流が図られている。子ども時代のこうした思い出が、のちの新たなプロ野球選手の誕生に寄与していることも少なくはないはずだ。ファンと共に歩むプロ野球は、70年前のパ・リーグで芽吹いていたのかもしれない。

 メモリアルイヤーの2020年は、新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れ、120試合の短縮シーズンとなるなど、プロ野球の歴史でも未曾有の危機に直面する年であったことは確かだ。だからこそ、6月19日の開幕戦、そして観客の入場が認められた7月10日の試合で「野球がある日常」を噛み締めたファンも多かったはずだ。数えきれない方々の協力によって全チームがシーズンを戦い抜き、今季も多くのファンを熱くする好プレーが生まれた。こうしたプロ野球の真の魅力は、70年前にパ・リーグが誕生した時と変わっていないはずだ。もちろん、71年目の今季も80年目を迎えるその時もである。

 最後に、この場をお借りして歴史を紐解く手がかりを提供していただいた日刊スポーツ、そして貴重な解説をいただいた野球殿堂博物館の井上学芸員には最後に心からの感謝を述べさせていただきます。

(「パ・リーグ インサイト」吉田貴)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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