新潟県に女子野球を広めた女性の熱意が結実 開志学園が男女通じて初の全国制覇

夢は新潟県初の女子硬式クラブチーム設立

 小学生、中学生、高校生と女子選手の環境を整えてきた頓所さんの夢には続きがある。県内初となる硬式クラブチームの設立だ。

 選手の会費だけで運営するチームならすぐにスタートできる可能性があるが、求める理想は高い。仕事やお金の問題で野球を諦めてしまう選手をこれまでたくさん見てきたからだ。「遠征費などを考えると、企業チームまでいかなくても、企業が関わってくださるような形のクラブチームが健全。草野球的な感覚でただチームをつくりましたという形にはしたくないんです」。今回の開志学園の全国制覇は新チーム設立の追い風になる。「だから、今年だな、と思って頑張って動きます」とこのチャンスを逃すつもりはない。

 さらに、その先には女子プロ野球チームを思い描く。イメージしているのは、独立リーグBCリーグに加盟する新潟アルビレックスBCの女子版。「アルビカラーのオレンジ色のユニホームはサッカーも陸上もバスケも男女あるんです。野球は、まだ女子がないので。そこに女子ができると、地域からというイメージを含めてすごく良いのかなと思っています。本当に夢ですけどね」と言って微笑んだ頓所さん。ゼロから女子野球を広めた熱意と行動力で女子野球の環境整備にまい進する。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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