西武、故障者続出に「元気な選手を使う」 辻監督の希望は若き“花咲徳栄コンビ”

愛斗、西川愛也“愛の花咲徳栄コンビ”が成長

 実際、6年目・24歳の右打ちのスラッガー、愛斗外野手は今月8日に1軍昇格すると、9日のロッテ選手でプロ初本塁打を含む1試合2発。この日も「6番・右翼」でスタメン出場し、2回に三塁ベース直撃のラッキーヒット、9回2死三塁で中前適時打を放った。今季5試合出場で打率.368(19打数7安打)、3本塁打6打点をマークしている。

 4年目・21歳の左打ちで、愛斗の埼玉・花咲徳栄高時代の2年後輩に当たる西川愛也外野手は、今のところ11打席(9打数)ノーヒットだが、「7番DH」で先発したこの日、2回無死一、三塁で先制中犠飛。4回の第2打席で逆方向の左翼ポール際へ放った飛球は、プロ初本塁打へあと一息で、辻監督がリプレー検証を要求したほどだった(結局ファウル)。

 “愛の花咲徳栄コンビ”が、主力のいない間に経験を積み自信をつければ、トータルでチームの戦力アップの底上げにつながり、まさにケガの功名となるかもしれない。最近5試合連続で「5番・一塁」で出場している呉念庭内野手も、打率.286(35打数10安打)、2本塁打11打点と好調である。売出し中のドラフト4位ルーキー・若林楽人外野手は、10日のロッテ戦で右膝に自打球を当て、途中交代して心配されたが、こちらは大事に至らず、この日「1番・左翼」で復帰しフル出場した。

 そうこうしている間に、主力も徐々に戻ってくる。栗山は早ければ今週中に1軍に復帰できる見通し。コロナ禍で来日が今月2日にずれ込んだエルネスト・メヒア内野手、コーリー・スパンジェンバーグ内野手も、今週末に隔離期間が解ける。この時期の我慢が、シーズン終盤に報われるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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