「弱い部分は見せられない」 背負う明大の「11」…選抜準V右腕が目指すエース像
今季初戦の東大戦に先発し、7回無失点と好投
東京六大学野球春季リーグ戦の第2週第1日が神宮球場であり、明大は今季初戦となった東大戦に11-0で大勝した。エースナンバー「11」を背負い、先発マウンドに上がった竹田祐投手(4年)は、7回2安打無失点と役目を果たした。
立ち上がりを3者凡退で抑えると、その後もテンポよくアウトを重ねていった。田中武宏監督も「初戦は何が起こるか分からない。竹田が立ち上がり、チームに安心感を与えてくれた」と満足げ。好投を受けて流れに乗った明大打線は17安打11得点と爆発し、好スタートを切った。
7回を75球。許した安打は2本だけと盤石の投球を見せたが、竹田自身は反省しきり。「球が高いのと、まだまだ自分の思っている通りの投球ができなかった」と振り返った。
履正社高時代、3年春の選抜で準優勝を果たした右腕。明大進学後は、1年春からリーグ戦に登板してきた。2年春には4勝を挙げて5季ぶりの優勝を牽引。今年は最上級生として、チームを引っ張る。
背番号11は、入江(現DeNA)が昨季つけたエースナンバー。過去には野村祐輔(現広島)や、昨季の新人王・森下暢仁(現広島)らプロで羽ばたいた投手たちが背負ってきた。誰もが背負いたい名誉と重責を、同学年の磯村峻平や高橋聖人らと争ってきた。「オープン戦20数試合をやってきて、(竹田は)その中で競争を見事に勝ち抜いた」と田中監督。誰もが認める形で、栄光の番号を掴み取った。
エースとして迎えた初戦のマウンドを終え「ゼロには抑えられたんですけど、まだまだ課題は多いと思うので、体の使い方だったり、来週に向けてしっかり調整していきたい」と先を見る。プロに進んだ偉大な先輩の背中には、まだまだ及ばない。
「11番をつけるにあたって、弱い部分は見せられない、強い気持ちを持ってマウンドに立ち続けます」
4季ぶり優勝を目指す明大のエースは、力強く宣言した。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)