国内復帰戦で黒星も田中将大が見せた「一級品の投球」 専門家でも難しい“粗探し”
全ての球種が一級品「カウント3-2になっても、田中本人は困っていない」
その“らしさ”とは――。「やっぱり全ての球種が一級品。どれをカウント球、どれを勝負球と区切らなくても、勝負ができる。打者も悩んだと思う」と75球を振り返る。この日は、左打者への外角のスライダーを特に有効に使っていたといい「困ったらこれがいけるという選択肢を残したピッチングだった。カウント3-2になっても、田中本人は困ってませんよね」と語る。
8年ぶりに古巣に帰ってきても、マー君はやっぱり凄かった。キャンプからコンビを組んできた捕手・太田とのバッテリーも「コミュニケーションとれてるはずだし、サインが合わずにどうしようもないシーンはなかったと思います」と分析した。
現状では不安要素が見当たらないという田中将の姿。「敢えて粗探しをするなら……」と前置きした上で、野口氏は注文点を挙げる。ひとつは、スプリットの落差。「ちょっと物足りないという気がしました。そこが元に戻ってくれば、もっと良くなるのでは」という。そして、もう1点は投球間隔。「ほんのちょっとだけですが、間隔がつまってくるといいのかなと。1球につき1秒縮まれば、だいぶいいリズムになるとも思います」との見方を示す。
ただ、いずれにせよ“敢えての注文”。「登板翌日、翌々日に体に問題がなければ、次は100球前後を投げるでしょう。シーズン通して投げられれば、普通に2桁は勝つとは思います」。2722日ぶりの国内公式戦を白星で飾ることができなかっただけで、その実力は揺るぎなさそうだ。
(Full-Count編集部)