「監督は嫌だけどコーチはやりたい」新庄氏が日本球界復帰の“恩人”に語った今後
独立Lの信濃-新潟戦で始球式、若き選手に助言も「格好つけてやって」
注目を集めた48歳の挑戦から4か月。現役復帰を断念し、49歳となった新庄剛志氏はどこに向かっていくのだろうか。2004年に日本球界復帰の舞台を整えた“恩人”は、指導者としての眼力と適性を力説する。若き素材を見る確かな目と野球への愛情を、日本球界のために還元してほしいと願う。【小西亮】
18日、新庄氏は長野県にいた。独立リーグ「ルートインBCリーグ」の信濃グランセローズ-新潟アルビレックスBC戦(長野オリンピックスタジアム)で、始球式を務めた。2004年当時に日本ハムのチーム統括本部長で、現在は信濃球団の相談役を務めている三澤今朝治氏との縁で実現。自身が1993年に初めて受賞したゴールデングラブを手にするパフォーマンスで盛り上げた。
NPB入りを夢見る若き選手たちの戦いも熱心に視察。「プロ野球選手を見てきた人間としては、何かがちょっと足りないっていう印象がありました」と独立リーグへの本音を語った。一方で、目に留まった選手もいたようで「もっとこうすればプロ野球選手への近道になるんじゃないかなと思う選手は4、5人いました」とも。スカウト目線で評価し、獲得したいと思わせる選手が「1人だけいた」と名前は言わずに明かした。
最高峰の舞台でプレーするための助言も忘れない。「力を入れるポイントがしっかり分かっている選手はドラフトにかかる。あとは、野球を楽しく格好つけてやろうとしてほしい。そうすれば、プレーで力みがなくなる」と強調。色男らしい経験則として「僕もプロ入った時、好きな女の子やファンに格好いいところを見せようとすると力が抜けた。いいプレーをしようとすると硬くなる。ちっぽけなことなんだけど。ものすごく大きなこと」と独特の感覚を語る。
次世代への熱い眼差しは、隣で一緒に試合を見ていた三澤氏にもひしひしと伝わった。「それぞれの選手の特徴を掴んだり、直すべき点を指摘したりするのが、すごく的確でした」と感心しきり。「テレビの試合解説でもやったら」と水を向けると、「それはいいです」と笑って返された。