一気に6キロ更新の150キロ計測… 水城の166センチ“小兵”右腕が目指す兄の背中

監督も認めるエースの自覚 マウンドでの笑顔の理由

 試合中、時折笑顔を見せる樫村。その表情には、理由がある。「自分が辛そうな顔をすると仲間は声かけにくくなる。マウンドは1番高い。そこにいる自分が笑顔を見せることで、チームも守りやすくなる。だから、試合中に笑うことを大切にしています」。笑顔の裏には、仲間への配慮がある。

 その想いに仲間も応えた。6点を取り逆転した直後の7回裏、霞ヶ浦の代打・山崎の投手強襲の当たりを三塁の関脩翔内野手(3年)が、ベアハンドで一塁へ送球。さらには、1死から西村の鋭い当たりも一塁・小川塁内野手(3年)がダイレクトで好捕。霞ヶ浦の反撃を味方が封じた。

 関根茂彦監督も樫村の成長を感じている。「2年生の夏に背番号1を渡してから、2皮くらい剥けましたね。エースとしての自覚という部分がついてきた」。監督に言われずとも自分で考え、トレーニングする。その結果、入学した時から球速は10キロ以上アップした。

「将来はプロを目指したい。そのためにも、今よりも球速、投げ切る力を身につけないといけない」。166センチの右腕は、兄の背中を追って甲子園を目指す。そしてその先には、兄たちが成し遂げられなかった、プロへの道を見据えていた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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