西武2年目右腕・上間のプロ初勝利で11日ぶり白星 辻監督絶賛「大きな勝利」
2年ぶりのチャンステーマに「録音とは思えないくらい迫力があって感動した」
■西武 3ー1 ロッテ(27日・メットライフ)
2つの引き分けを挟み6連敗中だった西武が27日、本拠地メットライフドームで行われたロッテ戦に3-1で勝ち、4月16日・ソフトバンク戦以来11日ぶりの白星を挙げた。プロ2年目・20歳の上間永遠(うえま・とわ)投手が先発して5回5安打3奪三振無四死球1失点の好投を演じプロ初勝利を挙げた。
上間は沖縄・那覇市出身の右腕で、大分・柳ヶ浦高に進み、四国アイランドリーグplus・徳島に1年在籍した後、2019年ドラフト7位で入団。今年4月8日の楽天戦で1軍デビューしたばかりで、3試合目の登板(全て先発)だった。3回1死二塁から荻野の左前適時打で先制点を許し、なおも1死一、三塁のピンチを背負ったが、中村奨を投ゴロ併殺に仕留め、先制点を許さなかったのが、勝利につながった。
「チームが連敗していたことについては、自分の性格的にもあまりそのあたりは気にならない方なので、とにかく自分のピッチングに集中しました」と上間。今井、松本ら先輩投手が四死球で自滅するケースが目立つ中、無四死球の上間を辻発彦監督も「そこが良かった。ストライクゾーンで勝負すれば、相手が打ち損じることもある。特にロッテは選球眼がいいだけにね。連敗ストッパーだから、大きな勝利だと思います」と称賛した。
5回を投げ終え投球数は80だったが、過去最多が83球とあって、辻監督は継投を選択。6回からギャレット、宮川、平良、守護神・増田が1イニングずつを無失点でつないだ。指揮官は「(6回は相手の)打順が1、2、3番で1番怖かったので、力のあるギャレットの方がいいと思った」と自画自賛した。
打っては、4回1死ニ、三塁で中村が7試合連続安打となる左前2点適時打を放ち逆転。この日は、東京、大阪の球場が無観客試合となる中、埼玉県所沢市のメットライフドームには9272人の観客が足を運んだ。さらに、昨年は演奏されずじまいだった、得点圏に走者を置いた際の「チャンステーマ」が、事前の録音ながら2年ぶりに流れ、それに合わせて手拍子が鳴り響いた。辻監督は「録音とは思えないくらい迫力があって感動した。ファンの応援が勝利を呼んだ」と感謝していた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)