女手一つで育ててくれた母に「勝てたよと伝えたい」 20歳の西武上間が初勝利

プロ初勝利を挙げた西武・上間永遠(左)と辻発彦監督【写真:荒川祐史】
プロ初勝利を挙げた西武・上間永遠(左)と辻発彦監督【写真:荒川祐史】

「緊張もせず投げているように見えた」辻監督も舌を巻く度胸

 3回に1点を先制され、なおも1死一、三塁のピンチを背負ったが、中村奨に外角低めのカットボールを打たせ、投ゴロ併殺に仕留めた。味方打線が逆転し2-1となった直後の5回は先頭の7番・山口以降3者凡退で片づけ、最少失点でマウンドを降りた。

 辻発彦監督は試合後、「こいつの性格はよくわからん。(チームの連敗を)止めたい気持ちは強かったと思うけれど、おっとりしていて、緊張もせずに投げているように見えた」と弱冠20歳の度胸に舌を巻いた。上間自身、「チームが連敗していたことについては、性格的にあまり気にならない方なので……」とあっけらかんとしたものだ。

 ストレートの最速は146キロにとどまったが、カットボール、スライダー、カーブ、シンカーを丁寧にコーナーへ決めた。四球から自滅するケースが目立つ西武投手陣にあって、制球が良く大崩れしない安定感は出色だ。辻監督は「そういう所だよ! 無条件で四球を与えずストライクゾーンで勝負すれば、相手が打ち損じることだってあるんだから」と膝を打った。

「永遠」という名前の由来について、「『何事も長く続くように』という意味だそうです。野球が1番長く続いていますね」と笑う上間。1軍ではデビュー戦の5回1/3、83球が最長。この日も5回80球でマウンドを降りた。信頼度を増した若武者は次回登板以降、先発の柱の1人としてもっと長いイニングを任されるはずだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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