「地球上最高の投手」が勝てない皮肉 防御率0.51で2勝2敗に同情の声高まる
開幕から登板5試合で59奪三振はライアンに並ぶ記録
■Rソックス 1ー0 メッツ(日本時間29日・ニューヨーク)
「地球上最高の投手が投げる日に限って…」
サイ・ヤング賞を2度受賞しているメッツの右腕ジェイコブ・デグロム投手の“孤立無援”ぶりに拍車がかかっている。28日(日本時間29日)のレッドソックス戦に先発し、6回を3安打9奪三振1失点と好投したが0-1で敗戦。2敗目(2勝)を喫した。今季は5試合に登板して圧巻の防御率0.51。ここまでの59奪三振は、ノーラン・ライアンに並ぶ開幕から5試合の奪三振記録だという。それでも打線の援護に恵まれず、勝ち星が伸びない右腕に米メディアから同情の声が上がっている。
MLB公式サイトは『「言い訳できない」:デグロムは直近の登板で珠玉の投球を披露するも、打線が沈黙』とのタイトルで伝えた。地元メディア「ノースジャージー・ドットコム」は「打線の不振がレッドソックス戦でも続き、メッツがまたしてもデグロムの快投を台無しにする」とし、「打線の現状は本当に心配だ」と報じている。
デグロムのあっと驚かせ続ける記録の中で、最も顕著なものがネガティブなものになることがあまりに多すぎるとMLB公式は説明。「不相応な敗戦数、そして運に見放され勝敗が付かないことだ」と指摘する。
デグロムが好投すると、メッツ打線は援護できない傾向にある。2018年からデグロムは81先発登板で防御率1.99。ところがその試合でのメッツの勝敗は38勝43敗と負け越している。1失点以下に抑えながらも勝利投手になれなかったのは今季早くも3度、通算では33度に及ぶという。さらに1失点以下に抑えた登板で、メッツは24試合負けているというから深刻だ。
この日先発マスクを被ったジェームス・マキャン捕手は「言い訳できない。特に今日のようにジェイクと継投した投手たちが1失点に抑えたような試合で、僕たちは勝つ方法を見出さないといけない」と語っている。
それでもデグロムは打線を非難することはなかった。いつものように自身の“不甲斐なさ”に目を向ける。「前回登板でどれだけメカニック面で調子が良かったかを考えると、とにかく(今日は)ガッカリだ。(前回の流れを)継続することが出来なかった。(失点した)2回に自分の投球が出来なかったことが残念だ。なんとか踏ん張ろうとしたが、真ん中にボールが集まってそこを打たれた」と振り返っている。
メッツの1試合平均得点と得点圏打率はメジャー最下位。記事は「そう言った彼らの欠点は、地球上で最高の投手がマウンドに上がる日に限って最も顕著に現れる」と断じている。
2018、19年にサイ・ヤング賞を受賞した32歳右腕は通算188試合に登板(先発)して72勝53敗、防御率2.55。打線の奮起が待たれる。
(Full-Count編集部)