まだ22歳なのに「今、監督になってもいい」 指揮官も認める慶大・福井の“能力”
監督の意図を汲み取る8番打者、「プレッシャーをかけられれば…」
「ピッチャー(9番)の前って非常に大事で。1番には廣瀬がいますし、2番挟んだら3、4、5と打力のあるクリーンアップがいますので。2アウトでまわってきたら、なんとか出塁して、次の回、1番からにできる展開を意識してやっております。個人としては、ヒットを打つとか、ホームランを打つというよりもピッチャーや内野、外野にプレッシャーをかけられればな、と思い、打席で色々やっています」
堀井監督の意図をしっかり汲んでいる福井はここまで4試合でチームトップの4打点をあげている。
この日の取材時間の最後に堀井監督にこんな質問を投げかけてみた。
「福井章吾とはどんな人間ですか?」
指揮官は目じりを下げてこう答えた。
「今、監督になってもいいような感じで。すごいキャプテンシーを持っていると思います。その一言に尽きますね」
福井は言う。
「僕自身は10番を背負ったからと言って何か変えたこともないですし、本当に8番バッターとしてキャッチャーとしてチームの勝ちに貢献することだけを考えてやっています」
慶大は初戦の法大戦で三浦銀二投手(4年)に“ノーヒットワンラン”をされたものの、それ以降の3試合で30安打。3勝1敗で2位につけている。上向きの慶大打線をマネジメントしている22歳の8番打者から目が離せない。
(市川いずみ / Izumi Ichikawa)
市川いずみ(いちかわ・いずみ) 京都府出身のフリーアナウンサー、関西大学卒。山口朝日放送アナウンサー時代には高校野球の実況も担当し、最優秀新人賞を受賞。学生時代はソフトボールで全国大会出場の経歴を持つ。