途中出場野手がサヨナラ打 「野球の神様」を感じた常総学院・島田監督の“手応え”
途中出場の3年生がサヨナラ打、指揮官手応え
高校野球の茨城県春季大会・準々決勝が2日、J:COMスタジアム土浦などで行われた。春の選抜に出場した常総学院は、明秀日立に4-3でサヨナラ勝ち。粘り強さを見せ、準決勝進出を決めた打線に島田直也監督も手応えを感じた。
選抜が終わり、全てを白紙にしてチームを編成した今大会。3回戦は中村蒼外野手(3年)が中堅で出場していたが、この日は2年生の田中隼人外野手を1番でスタメン起用。島田監督は「経験のためです。僕は先も見据えなきゃいけないので」と意図を語ったが、中村は悔しさを感じていた。
「1番・田中と言われ、ライバルだし、2年生なので悔しかったです。いつでも出られるようにベンチ裏でバットを振っていました」。9回表から守備につき、その裏に同点の2死満塁で打席が巡ってくると、初球を右前に運んだ。「チームで1番真面目だから。練習も1番するし、そういう子が結果を残すと、野球の神様っているんだなって思ったよね」と、島田監督も中村のサヨナラ打を称えた。
序盤は明秀日立のエース・飯田真渚斗投手(3年)を打ちあぐねたが、土壇場の9回に攻略。島田監督は、中村だけでなく4番で同点打を含む3安打を放った主将の田邊広大捕手や、6回に代打で適時打の鳥山穣太郎外野手らの名前を挙げ「3年生が頑張ってくれた。全員で勝った1勝だったと思う」と手応えを感じた。
一方で、課題も見つかった。「打線は水物だから。守りをしっかりしないと」とあらためて守り勝つ意識を再認識。先発して8回3失点の秋本璃空投手(3年)には「今のままではダメ。本人は悔しいって言うんだけど、それが投球に見えない。意地を見せてほしい」と発破をかけた。選抜での悔しさを晴らすべく、あとは秋本の成長を待つ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)