なぜ飛距離が伸びる金属バットは良くない? 打者だけでない“投・守”に及ぼす弊害
低反発バットでも芯で捉えれば、打球は変わらぬ飛距離
ポニーでは、2020年に開催された中学1年生の大会や、全日本選手権大会ポニーブロンコ大会で、低反発バットの使用を義務化した。米国のアンダー世代を対象とする各団体では、木製バットと同程度の反発係数を持つ「BBCOR.5」と記された金属バットを導入。木製バットに近い打感で、打球が飛びすぎないバットを使用し、子どもたちのスキルアップに役立てている。
米国での効果に着目したポニーが「SUPER PONY ACTION パート1」に盛り込み、国際標準バットを1年生大会で導入すると、その効果は期待以上だったという。昨年12月に行われた「SUPER PONY ACTION パート2」発表会では、「パート1」を実施した結果を検証。那須勇元事務総長によれば、飛距離が出ない点に注目が集まりがちだが、使用する過程では、しっかりバットの芯で捉えた打球は従来の金属バットに劣らない飛距離を計測。芯を外した内野ゴロが増え、野手は打球に向かって積極的にチャージする意識を見せるようになった。
2021年も1年生の大会では引き続き国際標準バットを使用する一方、2・3年生での導入は高校野球の対応を見ながらの判断になるという。
今年も各地で甲子園を目指す戦いが始まる。高らかな金属音を響かせながら大きな打球がスタンドへ飛び込むシーンが幾度となく繰り返されるだろう。耳に届く金属バットの音をきっかけに、子どもたちにとって何が正しいのか、大人たちはバットのあり方について考えを巡らせたいところだ。
(佐藤直子 / Naoko Sato)
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