好投のダルビッシュを4回で降板させたワケ 指揮官語った勝負手と“新たな選択肢”
ティングラー監督が説明、捕手登録のノラを二塁に“お試しコンバート”
■パドレス 5ー3 ロッキーズ(日本時間13日・コロラド)
パドレスのダルビッシュ有投手は12日(日本時間13日)、敵地でのロッキーズとのダブルヘッダー第1戦に先発。7イニング制の試合で4回を投げ、2安打2奪三振1四球1失点で今季4勝目とはならなかった。好投を続けながらも早期降板となったことに対し、ジェイス・ティングラー監督は試合後、コロナ禍に見舞われたチームの台所事情ゆえの采配だったと語った。
ダルビッシュは初回に味方野手のミスも重なって2死二塁を招き、4番ストーリーに中堅への適時打を許して先制点を献上。しかし、2回から2イニング連続で3者凡退。4回は2死走者なしから左翼手ファムが打球を見失うミスが二塁打となって得点圏にランナーを背負うも、続くアダムスを投ゴロに斬ってみせた。5回に代打を送られてお役御免。打者15人に計76球を投げ、ストライク48球。防御率2.08となった。
体のキレが物足りなかったというが、試合後の会見では「そういう時でも4回1失点だったので、大人になったなと」と納得の言葉。4回での降板については「首脳陣と僕の考えがちょっと違った。自分はもっといくつもりでしたけど、あそこで交代だった」と淡々と振り返った。
チームでは、主力のタティスJr.とマイヤーズが新型コロナウイルスに感染。他にも濃厚接触などの可能性がある野手が続々と故障者リスト(IL)入り、打線を大幅入れ替えて臨んだ一戦だった。ダルビッシュの代打で出場したノラは、捕手登録ながら5回の守備からは二塁に入り、穴を埋める策を試した。
指揮官は「単に得点するチャンスがあまり多くはないだろうから、(代打を出して)挑戦しようと決めたんだ。ノラを試合に残しておきたかったから、こういう起用法になった」と説明。遊撃のタティスJr.や一塁のホズマーら圧倒的な“野手不足”の状況で、新たな可能性を試した。
結果的には5回に同点に追いつき、6回には相棒のカラティニが決勝の満塁本塁打を放って3連勝を飾った。ティングラー監督は、“お試しコンバート”について「非常に大きかった」と手応え。ダルビッシュ自身もチーム状況に理解を示し「みんなで勝ち取った試合」と語っていた。
(Full-Count編集部)