日体大のプロ注目“二刀流左腕“は援護なく黒星 投手専念も「打席に立ちたかった」
8回を投げて3安打10奪三振2四死球1失点の好投も報われなかった
首都大学1部・春季リーグ戦の最終週第1戦が22日、神奈川・等々力球場で行われ、第1試合は武蔵大が日体大に1-0で勝った。日体大の二刀流左腕・矢澤宏太投手(3年)は投手専念で先発。8回を3安打10奪三振1失点で完投したが報われなかった。日体大は4勝5敗となり優勝がなくなった。
日体大・矢澤と武蔵大・山内大輔投手(4年)の両エースの対決は1-0で山内に軍配が上がった。注目の左腕・矢澤は1回無死一塁で、2番・岩谷に左中間適時二塁打を浴び先制点を献上。その後は0を並べたが、打線が山内の前に4安打に封じられた。
矢澤は1日の筑波大戦では「4番・投手」で出場。「リアル二刀流」として、投げては10奪三振完封、打っては2安打の活躍を見せていた。日体大・古城隆利監督はこの日の投手専念について「(主将の)猪原が怪我で守れなく、指名打者で使うしかなかった。矢澤が投手で出ていたときに打っていないこともあったので、こういった形にしました」と理由を明かした。
1点が重い展開に「正直、打席に立ちたかったです」と矢澤。ただ、打席に立てない分、投手として貢献することを考えた。「打つことはできないからこそ、投手としてテンポを上げて流れを作ることを意識しました。打たれてもいいからストライクゾーンに投げ込みました」
140キロを超える直球と大きく曲がるスライダーを武器に、3回以降は無安打に抑えた。さらには、課題だった制球力も向上。前回登板の15日の桜美林大戦は7四死球と荒れたが、この日は2四死球。古城監督も「『投手一本に集中して』と送り出しました。無駄な四球がなく、テンポも良かった」と評価した。
この敗戦で日体大は4勝5敗となり、優勝は消滅。23日の武蔵大戦に敗れると勝率で並び、他大学の結果次第では最下位の可能性も出てくる。「明日は打つことも守ることも全力でやります」。二刀流エースは23日の一戦に必勝を期した。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)