楽天・田中将大の本領発揮はこれから? 球界OBが指摘する“上がり目”と配球の偏り

「やや変化球に偏っている配球をストレート系と半々にすれば…」

 配球にもまだまだ改善の余地があると野口氏はいう。「この日のロッテの打者の反応を見ていると、試合前のミーティングで『追い込んでからは変化球の可能性が高い』というデータを刷り込まれ、狙い球を絞っていることがうかがえた」と指摘する。

「ストレートもMAX151キロで、球威は十分あった。現在やや変化球に偏っている配球をストレート系と半々にすれば、相手は狙いを絞り切れなくなる。勝利数を予想するのは難しいが、もっと楽に投球できるようになるだろうし、球数を節約して完投できるようにもなると思う」と見ている。

「今は日本の打者のイメージも、自分の力量の認識も、8年前とのギャップを埋めている最中だと思う」と野口氏は言う。メジャーでは速い球に強い打者に対応するため、スライダー、スプリットなどの割合を増やしたマー君だが、日本ではまだまだ速球が有効のようだ。

 メジャー移籍前最後の年(2013年)が24勝0敗、防御率1.27という空前絶後の大活躍だっただけに、ここまでのマー君を「想像していたのに比べると物足りない」と感じるファンもいるかもしれない。だが、野口氏の見立てでは、本領発揮はこれから。8年前ともメジャー時代とも違う、新しいマー君の投球を見せてくれるはずである。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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