広島ドラ1栗林のブレークを開幕直前に確信… 高橋慶彦氏が重要視する“冷や汗登板”
高橋氏「オープン戦最後の登板であっぷあっぷした、あれが良かった」
高橋氏は「オープン戦最後の登板であっぷあっぷした。あれが良かった。あれがなかったら、シーズンに入ってからやられていたのではないか。実戦でなかなかできない経験をオープン戦の最後にできて、しかも切り抜けた。俺はあれを見た時『この子はやれるかもしれん』と思った」とも述懐する。
栗林は開幕前、3月21日のソフトバンクとのオープン戦最終戦(マツダ)で9回に登場したが、先頭の明石に左翼線二塁打を浴び、牧原大、栗原を連続三振に仕留めたものの、上林に四球、長谷川に右前打を許し、2死ながら満塁と追い込まれた。周東に対してもカウント3-2となり、押し出しの不安が頭をよぎったが、最後は8球目の外角高めのフォークで見送り三振に切って取っている。
この投球を見て、開幕後の抑え起用に不安を覚えた関係者も多かったが、高橋氏は逆だった。新人にとって絶対的に不足しているのは、言うまでもなく経験。栗林は開幕前、絶好のタイミングで何試合分にも相当する経験を積むことができたというわけだ。怖いもの知らずに見える今の投球ぶりにも、それが生きている。
入団当初、首脳陣は先発起用も検討。「そちらも見てみたいが、現状では(抑えは)他におらんやろ」と高橋氏は言う。阪神・佐藤輝明内野手、DeNA・牧秀悟内野手、楽天・早川隆久投手、西武・若林楽人外野手らルーキーの活躍が目立つ今季。セ・リーグ随一の新人右腕は毎試合、最後を締めるべく爪を研ぎながら出番を待つ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)